週末topics~「五月病」
五月病とか木の芽時(きのめどき)と言う言葉が聞かれる時期になりました。
もともとは、激しい受験戦争を勝ち抜いて大学生になったものの、新しい環境に適合できずに精神的なストレスがたまってイライラしたり、無気力になったり、倦怠感がでてくるといった状態のことを指しましたが、新入生や新入社員に限らず、この時期はストレスが溜まりやすいとされています。
このことを、漢方的にみると、なにも日本の社会が4月に新年度が始まるからということよりも、「季節的」な問題が大きく影響していると考えられます。
この「季節的」というのは、「春の養生法」にも書きましたが、漢方的には「春」という季節が、自律神経と関係の深い「肝」の季節で、ストレス性の病気になりやすい季節であるということです。
また、暦の上では立夏がすぎて「夏」ですが、夏は五臓六腑で「心」の季節になり、精神神経機能(「心」=こころ)と関連が深く、自然の陽気が高まると共に、体内の「気」も上昇しやすくなって、イライラしやすくなるという事もあります。
さて、漢方的に五月病を克服するにはどうすれば良いかというと、まずは適度な運動を心がけるということが挙げられます。激しい運動は逆効果になりますが、うっすらと汗をかく程度のウォーキングやハイキングはお勧めです。(適度な運動は体内の「気」の流れを良くしてくれます)
更に、自分の思い通りにならなくて鬱々(うつうつ)としている方で、外に出る気もしないという方には、「感情的に泣く」ことをお勧めします。
「ストレスについて(その2)」に書いたとおり、この方法は西洋医学的にも裏付けられていますが、漢方的には「怒」というストレスは「悲」という感情で打ち消すことが出来、五行説でも「肝」の五液は「涙」ですので、「泣ける」ビデオでも借りてきて泣くことは、「自分の思い通りにならなくて鬱々とする」という「怒」タイプのストレスの発散に大いに役立ちます。