最近はスーパーの中華食材売り場でも枸杞の実を売っているのを見かけますが、色の美しさとほのかに甘みがあって味にクセがないことで人気が有るみたいです。
漢方では枸杞の実は枸杞子(くこし)とよばれ、「滋補肝腎・明目」「潤肺」の薬効があるとされ、簡単に言えば体の老化予防に効果があって、特に目や肺(空咳など)に良いという事になります。
週末topics〜ストレスについて(その2)
前回、人体に影響を与える精神的なストレスとして七情とよばれる七つのものがあると書きましたが、今回は「怒」について解説します。
漢方では「鬱怒傷肝」といって過剰な「怒」というストレスは「肝」の働きを阻害すると考えられています。
さて、では「怒」とはどういった事を指すかというと、現在使われているのは文字通り「怒り」という意味ですが、二千年以上前に漢方理論が形成されていった時代では「奴」すなわち「奴隷」の「心」を「怒」という文字で表しました。
つまり「自分の思い通りにいかないことでうつうつとしている」状態が「怒」というストレスの本来の意味で、なにも周囲に当たり散らしている事を指しているわけではないのです。
さて、この「怒」という感情が過剰になると「肝」に影響し、「肝欝気滞」といって、全身の気や血の流れがスムーズにいかなくなったり、胃が痛む、便がすっきりでないなどの胃腸症状が現れてきます。
漢方では気の流れをスムーズに回復させるような処方を用いますが、誰にでも出来る対処法としては「泣く」ことです。
漢方の五行説と呼ばれる理論の相尅関係の応用ですが、「怒」という感情は「悲」という感情で打ち消すことが出来るとされており、何も悲しい思いをする必要はないのですが、大事なのは感情的に泣くという行為です。
「そんなアホな」とお思いの方も居るでしょうが、1980年代くらいに西洋医学でわかった事は、人間が感情的に泣くときに出る涙は、なんらかの刺激を受けてでる涙と違って、涙の中に大量のストレス物質が含まれていることが解明されています。
すなわち、感情的に泣くという行為は一種の排泄行為であるわけで、「最近思うようにいかなくてイライラする」という方はレンタルビデオ屋さんにでも行って、感動ものの映画でも借りてきて、感情的に泣くということでこのタイプのストレスを和らげることができます。