冬菜の和えご飯/ 臓器移植と漢方理論

 今日はもう立春ですが、中国四大漬物の一つに数えられる冬菜(ドンツァイ)を用いた和えご飯です。

 冬菜は、白菜をニンニクや塩で漬け込んで数ヶ月発酵させた漬物で、特に天津のものが有名です。

 そのままでもお粥の付け合わせに用いられる他、適当に塩抜きをして餃子の餡に混ぜたり、スープの具としても用いられます。

週末topics~臓器移植と漢方理論

 昨年、日本のテレビ番組でも取りあげられていましたが、臓器移植先進国のアメリカでのお話し。

 心臓移植を受けた男性が、移植を受けてから見知らぬ車の夢を見るようになって調べてみると、その車こそ、心臓の提供者(ドナー)が交通事故にあった車で、ナンバープレートの番号まで夢に出てきていたのと同じだったそうです。

 アメリカでは、臓器移植を受けた人が、移植後に様々な精神的な悩みを抱えるようになり、専門のカウンセラーもいるそうですが、特に心臓と肝臓の移植を受けた人が精神的な変調をきたすことが多いと報告されています。

 また、クロアチアでは主婦の肝臓を移植された男性が、移植手術後、それまで見向きもしなかった家事にいそしむようになって、編み物にまで興味を示すようになったとの報告もあります。

 こういった現象をふまえて、西洋医学でも人間の記憶は細胞に宿るのではという仮説も登場しているようですが、漢方的に見た場合、これらの現象は説明することが出来ます。

 まず、人間の五臓六腑のなかでも「心」は、西洋医学的な心臓の働きと同じく血液を全身に送り出すポンプ機能のほかに、「こころ」という意味があって精神神経機能をコントロールしているとされています。

 さらに、「肝」に関しては「」の宿るところとされ、自律神経や情緒と密接に関わっています。

 すなわち、漢方理論では「心」も「肝」も人間の精神や感情と深く関わっている臓器であるとされていますので、移植によってドナーの持っている記憶というよりも、性格なども「移植」されてしまうという可能性は大いに考えられます。

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