柿と棗の羊羹/ 牛乳の弊害(1)

 写真ではわかりにくいですが、上半分が柿で下半分が棗(なつめ)のあんになっています。

 棗はクロウメモドキ科のナツメの果実ですが、乾燥品は漢方で大棗(たいそう)と呼ばれる繁用生薬です。主な薬効としては胃腸の働きを良くする事と、貧血気味の方の不眠や不安感に効果があります。

週末topics〜牛乳の弊害(1)

 今回は漢方的正しい食養生(その5)でも書きましたが、牛乳の弊害についてです。

 漢方的には牛乳は大病を患った後などで体がカラカラにひからびたような時に使うもので、日常飲み続けるものではないとされています。

 実際に日本の医療機関でも、アレルギー疾患などを専門にされているところでは、例え牛乳アレルギーではなくても日常の食事から牛乳を除くことで症状の改善が早くなるといった指摘もされており、更に漢方的な見地に立つと戦後の学校給食の普及と共に牛乳が広まったことがアトピー性皮膚炎や喘息の増大を招いた一因であるとも指摘されています。

 現代医学的に見ても、人間は離乳期を過ぎると乳糖分解酵素の活性が低下し、代わってでんぷん分解酵素の活性が高まっていくことが知られています。牛乳を飲めばすぐに下痢をするというほど激しくはなくても、統計によると日本人の成人では乳糖分解酵素が少ない人の割合は85%にも達するとの報告もあります。これに対して、アメリカの白人種や北欧などの人々では成人になってからも乳糖分解酵素の活性が高い人が多く、これは先祖からの食習慣によるものだと言われています。

 分解できない乳糖を多量に含む牛乳を日常飲むことで胃腸に負担がかかり、腹部膨満感、軟便、下痢、ガスなどの症状が発生しやすくなりますが、漢方的に考えると胃腸に負担がかかると言うことは、食べ物から体に必要な栄養素を取り込むという機能が低下したり、水分代謝に影響してむくみやすくなったりするということになります。

 更に問題なのは、牛乳に含まれるタンパク質はアレルギーを起こしやすく、アメリカの医学界でもアレルギー疾患と牛乳の関連性は多く指摘されています。

 牛乳を毎日飲んでいて私は健康ですと言うのなら別に問題ないですが、

・普段から胃腸の調子が悪い

・むくみやすい

・花粉症、アトピー、喘息などのアレルギー疾患をもっている

という方なら、1ヶ月の間だけでも牛乳をやめてみて、体調が良くなるかどうか試されることをお勧めいたします。 

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