ライチ(茘枝)は、中国が原産の果物で、あの楊貴妃も大好物だったことでも有名です。成分的にはビタミンCが豊富に含まれており、美容にも良さそうな感じがします。
漢方的な薬効としては「補脾益肝」「益智養心」で、特に女性の方で貧血気味の方にはお勧めのフルーツです。
ライチ自体は漢方薬としては用いられませんが、同じムクロジ科で、ライチより一回り大きなリュウガン(竜眼)は、フルーツとしても食べられますが、果肉を乾燥させた物は竜眼肉と呼ばれ、「養心血・安神・補脾」の要薬として、貧血や不眠の改善に用いられます。
週末topics〜梅雨の養生法
いよいようっとうしい、[E:rain]梅雨のシーズンが始まりそうですが、この時期のポイントは「湿邪」にあります。
「湿邪」とは、読んで字の通り体に悪影響を与える湿気のことです。漢方では体に影響する環境因子を六淫(りくいん)と呼び、「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」の6種類に分類しますが、梅雨時に特に問題になるのが「湿」です。
「湿邪」の特徴は、胃腸の機能に悪影響を与えることと、「気」の流れを邪魔することです。また、普段から胃腸が弱くて、体内に余分な「湿」を抱えている方は、余計に「湿邪」の影響を受けやすくなります。
「湿邪」の影響で起こりやすい症状としては
・(特に午前中)体が重だるい
・関節や筋肉が動かしにくい
・顔や手足がむくむ
・食欲不振や食後におなかが張る
・口の中が粘る
・痰がよく出る
・神経痛の痛みが強くなる
などが挙げられます。
また、この時期は暑くなってくるため、つい冷たいものをとりがちになりますが、その結果胃腸を冷やすことで、ますます「湿邪」の影響を受けやすくなりますので、注意が必要です。
梅雨時の養生法としては、極力、生ものや冷たいものを控えて、胃腸の陽気(パワー)を守ることが最重要課題となります。もちろん、辛いものやお酒も、過度にとることで胃腸を弱めますので注意が必要です。また、既に胃腸が弱い方で口の中が粘るような場合は、冷たい水でうがいだけして、飲み込まないようにしないと、ますます口の中が粘ることになります。
それでなくても、現代の日本人の食生活は「生冷過食」ですが、この梅雨の時期は、特に温かくて消化の良い食事を心がけて下さい。