臘肉(ラーロウ) / 「冷え症」について

  

 写真は皮付きの豚バラ肉をタレに漬け込んでから、乾燥させている状態です。この後さらに数日間、屋外で乾燥させてからスモークすれば臘肉の完成です。もともとは豚肉の保存食として作られていたもので、同じような豚肉の加工食品としては金華ハムなども有名ですが、中華ではハム(火腿:フォートイ)はどちらかというとスープをとったりするのに使われ、臘肉は炒めものなどに用いられます。                                            

週末topics〜「冷え症」について

 結構寒さが厳しくなってきましたが、この時期に冷え症でお困りの方も多いと思います。漢方では「陽虚」といって、先天的な虚弱や老化などで体を暖める力が弱いというのが典型的な冷え性のタイプになりますが、普通に仕事や日常生活ができる方で冷え症を自覚する場合は「血虚受寒」と「肝欝気滞」の二つのパターンが一番多く見受けられます。

「血虚受寒」タイプ・・・「血虚」というのは西洋医学でいう「貧血」とは必ずしもイコールではないですが、不眠や動悸、物忘れ、疲れやすい、顔にツヤがない、爪がもろい、めまい、たちくらみなどの症状を伴い、漢方的に「血」が不足している状態を指します。

 このタイプの方は、「血」の量が少なく、流れも悪いために容易に寒邪(冷え)の影響を受け、四肢末梢の冷えや下肢の内側、下腹部の両側などに冷えを自覚します。

 根本的には「血虚」を改善する必要がありますが、「血虚」になる原因としては「食べ物に問題がある」か「胃腸の機能に問題がある」か「出血している」かの3つが考えられます。特に、「食欲もあるし、ちゃんと食べているのに・・・」という方は、「食べ物の中から体に必要な栄養素を取り込む」という胃腸の機能に問題がある場合が多いです。

 漢方ではこのタイプの方には血を増やして体を暖める作用のある処方で対処します。

「肝欝気滞」タイプ・・・簡単に言うとストレスが原因で血の流れが悪くなって冷えを感じるというタイプです。「気」というのは温煦作用といって暖める作用がありますが、ストレスで「気」の流れが滞ることによって、手足の先などに冷えを自覚します。

 西洋医学的に言うと、自律神経の緊張から血管運動神経が緊張して、末梢にまで血行が行き渡らないということになりますが、このタイプの方は冷え以外にも、ゆううつ感、いらいらなどの神経症状、胸やおなかが張る、げっぷなどの自覚症状を伴います。
 

 漢方ではこのタイプの冷え性には、体を暖めるのではなく「気」の滞りを改善して、流れを良くする処方で対応します。

関連記事

  1. 十八街麻花/ おなかの張り

  2. 五月病

  3. 「トピックス」の索引

  4. 鹿茸 / 五臓六腑〜「腎」

  5. 冬菜の和えご飯/ 臓器移植と漢方理論

  6. 豆苗 / 風邪(かぜ)について