日本で言う五目焼きめしのルーツともいうべき揚州炒飯です。江蘇省の揚州は漢の時代から交通の要衝として栄えた街で、食材も豊富で豊かなところです。
最近、地元の揚州市では「正宗」揚州炒飯の定義を制定したというのをテレビで見ましたが、金華ハムをはじめ何種類かのマストアイテムがあるそうです。
週末topics〜不老長寿(その2)
前回は、人間の老化というものは即ち「腎」の老化であり、中年以降は補腎薬と呼ばれるものを服用することが、長生きの条件であるという事を書きましたが、もう一つ大事なことがあります。
それは、血液をサラサラに保つという事で、漢方で言う「淤血(おけつ)」の状態にならないことです。ただし、淤血というとすぐに「血液ドロドロ」というイメージを持ちやすく、更に悪いことに最近は水飲み健康法なるものが流行っており、1日2リットルの水を飲めば血液がサラサラになるといった話しも良く耳にしますが、そんなに単純な話しではありません。
代表的な淤血のパターンとしては
1.元気不足タイプ
「血」は「気」のエネルギーによって流れていますので、「気」のエネルギーが不足している方は必然的に血液の流れも悪くなります。また、このタイプの人は五臓六腑で言えば脾胃(=胃腸)が弱い方が多く、脾胃を中心にして「気」を補っていくことが血液の流れを良くすることになります。
2.血液不足タイプ
流れるべき「血」の量が少ない為に、血流がよくないというタイプです。やはり、胃腸の調子が悪いという方に多く見られます。
3.冷えタイプ
冷えや寒さというのは、血の流れを悪くしますので、冷え症タイプの方は基本的に血流が悪くなります。
4.体液不足タイプ
漢方の考え方では、血管の中を川の流れに例えると川の上を栄養物質を積んだ舟(=血)が走っているととらえます。このため、体に潤いの少ない「陰虚」とよばれるタイプの方は、川の水が少なく、血(=舟)もスムーズに流れないとされています。強いて言えばこのタイプの人は、寝る前や朝にコップ1杯くらいの水分(勿論、冷たい水ではなくお白湯など)をのむ事で、血液の流れが少しは良くなります。
5.イライラタイプ
ストレスなどの影響で、「気」の流れが滞ることによって「血」の流れも悪くなるタイプです。
6.ドロドロタイプ
西洋医学的に言えば、中性脂肪やコレステロールが高く、血液粘度が低くなって血液が流れにくいと言うタイプです。
以上、代表的なタイプについて挙げてみましたが、それぞれのタイプによって用いられる漢方薬も異なってきますし、特に1、2、3のタイプの方は余分な水を飲むことで結果的に血の流れが悪化しかねません。
漢方では病名が同じでも、一人ずつ体質が違えば治療法も異なりますし、6つのタイプが入り交じっているという方も居られますので、見極めが肝腎です。
いずれにせよ、血液がサラサラ流れる状態を保つことは、動脈硬化を予防し、脳梗塞や心筋梗塞の予防になるだけではなく、体の隅々まで栄養を行き渡らせて若さを保つために必要なことです。