ワンタンは漢字で雲呑と書きますが、もともとは混沌が語源で、混沌(渾沌)とは古代中国の神話に登場する神様の名前でした。
唐の時代には小麦粉を練って、中に肉や野菜などをぐちゃぐちゃに混ぜ込んだ餡を入れて煮た食べ物(ワンタンのようなもの)を混沌と呼んでいたそうで、遣唐使がこれを日本に持ち帰り、やがて「饂飩」(うどん)になったという説があります。
中国ではその後、ワンタンを表すのに「混沌」のさんずいへんを「食」へんにした字がつかわれるようになりましたが、日本で一般的に使われる「雲呑」という字は、広東語の表音文字から来ているそうです。
週末topics〜季節の変わり目
10月に入っても30℃を越す日があるなど、大阪はすでに亜熱帯化しているのではないかとも思いますが、夏から秋へという事にかかわらず、とにかく季節の変わり目になると体調をくずしやすいという方が居られたら、漢方的には「脾(=胃腸)」に問題があることになります。
日本では夏の「土用の丑」が有名ですが、土用というのは本来、季節の変わり目の事で、年に4回おとずれます。また、五臓を季節に当てはめると土用は「脾」にあたります。
この「脾」というのは西洋医学で言う脾臓ではなくて、漢方では胃腸の持つ消化吸収機能をつかさどっていると考えられています。また、脾のもっている気を脾気と呼びますが、「脾気盛んなれば邪を寄せ付けず」と言われるくらい、免疫力にも関わっています。
この為、季節の変わり目になると体調を崩しやすいという方は、漢方的に見ると
・普段から食欲がない
・食べた後に眠たくなる
・軟便がちである
といった、脾虚とよばれる症状が出やすく、
・かぜを引きやすい
・花粉症になりやすい
・冷たい風にあたるとじんましんや涙がでやすい
といった、衛気虚(えききょ)という症状もでやすくなります。
また、脾に悪影響を与える因子としては
・冷たいもののとりすぎ
・ストレス
・湿気
などが挙げられますが、最も多く見られるのも、また自分の意志で最も改善しやすいのも
生冷過食とよばれる、冷たいものの過剰摂取を止めることです。