ココナッツミルクでできたプリンに、スイカのソースがかかっています。真ん中に見えるのは、バジルシードです。
今年は、猛暑のせいかスイカが豊作みたいですが、スイカ(西瓜)はサハラ砂漠が原産といわれており、西域から入ってきた瓜ということで西瓜とよばれています。
スイカの薬効としては「清熱解暑」「利尿止渇」で、体にこもった熱を冷ますとともに、強い利尿効果とのどの渇きを抑える作用があります。
スイカの赤い色はリコピンというカロチノイド系の色素で、強い抗酸化力をもちサプリメントとしても注目されています。
また、西瓜の皮の部分にはシトルリンとよばれるアミノ酸が含まれており、身に含まれるカリウムともども強い利尿作用が認められています。
週末topics〜夏の胃腸障害
連日、猛暑が続いていますが、気温が高いこともさることながら、雨は降りませんが湿度の高い日が続いています。
漢方の考え方では、湿度が高くなるとまず影響を受けるのが「脾」(→「五臓六腑について(その3:脾)」参照)で、消化器系の働きが悪くなります。その上、蒸し暑いからと過剰に冷たいものをとると、ますます胃腸機能の低下をきたして、結果的に体内に余分な湿気やむくみを発生させることになります。
(*胃の中の温度は、食べ物を消化するために38℃くらいあるといわれ、冷たいものをとることで熱量が奪われ、胃腸が本来しなければならない働きに支障が生じ、特に水分代謝に悪影響を与えます。)
また、体内に余分な湿気が発生することで、ますます環境の湿気の影響を受けやすくなり(漢方では、「同気相求」と呼ばれる現象で、外界の「邪」と同じ「邪」(この場合は「湿邪」)を体内に持っていると「邪」の影響が強く表れること)、胃腸の働きが悪化するという悪循環に陥ります。
具体的な症状としては、
・食欲がない
・食後の腹部膨満感
・下痢や軟便
・吐き気
などといった症状が発生します。
現代日本人の食生活に関しては、漢方的に見れば明らかに「生冷過食」(冷たいものや生ものの食べ過ぎ)ですので、特に夏場になるとなおさら胃腸障害の症状が目立ちます。
対策としては、冷たいものをとりすぎないという事につきますが、冷たい飲み物をがぶがぶ飲むよりも、まず冷たい水などでうがいをしてから飲み物をゆっくり飲むなどの工夫が必要です。
夏場は食べ物に関しても冷たいものが多くなりますが、キュウリやトマト、冬瓜(トウガン)などの夏野菜は、それ自体の性質が「涼」性で、漢方的な食養生からいえば、あえて生のままや、冷たい料理で食べなくても、これら「涼」性のものを温かい料理として摂取することで(「涼」を補うという考え方)体内の余分な熱を冷ます作用があると考えます。
それでも、胃腸障害を起こしてしまったら、体内にたまった湿気を取り除き、胃腸の働きを活発にする作用のある「かっこう正気散」や「香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」などの処方をお勧めいたします。