ジャスミンティーでお馴染みのジャスミンはインド原産で、中国にも相当古くから伝えられていました。
欧米などでは、その澄んだ香りがアロマテラピーにも応用されますが、漢方的な薬効としては下痢や腹痛に効果があり、煎じた液で目を洗えば結膜炎にも有効であるとされています。
因みに、中国語では茉莉花で、和名はマツリカです。
週末topics〜「むくみ」について
これといって明らかな原因が見あたらないのに、よくむくんだり、むくんだ状態が慢性的に続くという方は多いと思います。漢方では「内湿」と呼ばれる状態ですが、体の五臓六腑のバランスが乱れていることが原因です。
「水」の代謝に関連する五臓六腑
1.「肺」・・・五臓六腑〜「肺」のところでも書いたように、漢方の考え方では「肺」は水分を全身に送り出し、不要な水分を下半身に送るという作用(宣散粛降作用)を持っています
2.「脾胃」・・・このブログでも繰り返し述べていますが、「脾胃」(=胃腸)は水分代謝に大きく関与しています
3.「腎」・・・「腎」は体に必要な水液が貯えられている場所でもあり、また「肺」によって送られてきた不要な水分を膀胱から排泄するのをコントロールしています
4.「肝」・・・「肝」は全身の「気」の流れをコントロールしていますが、「気」のエネルギーで全身を巡っている水分の流れにも影響を与えます
5.「三焦」・・・五臓六腑といった場 合、五臓に対応していないもう一つの「腑」が「三焦」で、水液の通路と考えられています
以上、体内の様々な臓腑が水液の代謝に関連しており、これらのうちのどこかに問題があれば水液の代謝が滞り、むくみの原因となってしまいます。また、細かく分けていくと何種類ものパターンが考えられますが、よく見受けられる「むくみ」のパターンを二つ挙げておきます。
◎ストレスタイプ
・主な症状・・・イライラしたり、口の中が苦く感じたり、頭がふらついたりしやすく、軽いむくみが繰り返して発生する。また、胸や脇が張ったような感じがしたり、女性の方では月経前にこれらの症状が強く出るといった特徴があります。
・原因と対処法・・・ストレスなどの影響で、三焦の水液の流れがスムーズにいかないことが原因で、漢方薬では柴胡剤とよばれる処方群の適応になります。普段からストレスをため込まないように、上手に発散させることが必要です(と言っても、口で言うほど簡単ではないのは重々承知しております)
◎脾虚タイプ
・主な症状・・・食欲不振、食べた後に胃のあたりが張った感じがする、元気がない、疲れやすいなどの症状があって、主に下半身がむくむという特徴があります。また、ひとによっては汗をかきやすいとか、かぜを引きやすいといった症状を呈することもあります。
・原因と対処法・・・脾胃(=胃腸)のエネルギーが不足して、水液の代謝に滞りが見られる状態ですが、飲食物の不摂生(冷たいものや刺激物の過食)や老化、慢性病などでも見られます。対処法としては、このブログの「漢方的正しい食養生」の(その1)から(その5)までを良くお読み下さい。因みに漢方薬では、香砂六君子湯などの処方がよく使われます。