海龍(かいりゅう)というのは、ヨウジオウ科のトゲヨウジを内臓を除いて乾燥させたもので、滋養強壮作用があるほか、難産の時にも用いられる生薬です。
タツノオトシゴ(海馬)の仲間で、見た目はスマートですが、薬効は海馬よりも優れています。薬膳料理では、よくスープに使われますが、味自体は、あっさりした魚の干物という感じです。
週末topics〜漢方的ダイエット(その4)
過去3回に渡って、漢方的に太りやすい体質を分類して、それぞれに応じた漢方治療を併用しながら、根本的に体質を改善する事が、無理のないダイエットにつながるという事を書きましたが、今回は漢方でよく使われる、ダイエットに良いとされるお茶について、紹介します。
「柳茶」・・・柳の葉っぱの事ではなくて、チベットを代表するお茶で、昔から少数民族の間では、胃腸を丈夫にするお茶として飲まれていました。また、放牧している羊が、この草を食べると脂肪が落ちてしまうので、家畜には食べさせないようにしていると言われてきました。その後、中国の学者が研究したところ、柳茶には脂肪の利用と分解を促進する働きや、コレステロールや中性脂肪を下げる効果などがあることがわかり、ダイエットに最適なお茶と言われています。
「荷葉」・・・蓮の葉を乾燥させたもので、漢方薬として昔から用いられてきました。新鮮な葉は、暑さによる頭痛や発熱などに効果があるとされ、また、乾燥させたものには胃腸の働きを良くする効果があります。中国の研究では、荷葉には脂肪の分解を促進する効果が認められています。
「問荊」・・・スギナのことで、漢方では、清熱利湿作用があるとされていましたが、民間では牛が食べると痩せると言われており、最近の研究では、荷葉との併用で、体内の余分な水分を排泄したり、ダイエット効果が強くなるとされています。
以上が代表的なダイエット向けのお茶ですが、それだけを飲めば痩せるというものではなく、今まで紹介してきた、太りやすい体質の改善をしながら、こういったお茶を併用すると、より効果があるとお考え下さい。
~漢方的に考えて、何かを飲み続けるだけで、どんどん痩せていくというものが有るとすれば、それは紛れもなく「毒物」であると言えます