蓮心(レンシン)とは、ハスの実の真ん中にある緑色の胚芽のことで、イライラして胸苦しく眠れない(心煩不眠)といった症状に応用されます。
また、蓮肉(レンニク)とはハスの実を乾燥させたもので、漢方薬として使われる他、中華ではお粥やスープなどにも使われます。(蓮心は苦みが強いため料理には使われません)
週末topics〜五臓六腑について(その2:「心」)
(2)「心」について
漢方で「心」といえば、西洋医学でいう心臓機能のほかに、「こころ」という意味(精神神経機能)もあります。
すなわち、
・心臓のポンプ作用による全身への栄養物質の運搬、血液の循環機能
・思考・分析・判断など大脳新皮質を中心とする高次神経系 の機能
の二つの機能を持っていると捉えられ、「心」の状態は舌や顔色、汗の状態に反映されます。
臨床上では
・血液循環障害 ・動悸、息切れ ・高血圧 ・不整脈
・不眠症 ・健忘症 ・神経症
などの症状や疾患に関連しています。
「心」は、その重要性から「君主之官」と称されますが、腑でいえば「小腸」と裏表の関係にあり、季節で言えば「夏」で、「火」の性質を持つとされています。
(ただし、この「火」は弱すぎても、強すぎても動悸や息切れといった症状が出てきますが、漢方では状態(体質)に応じて火加減を調節するように、温めたり、冷ましたりする方剤を用います。)