サフランはクロッカスの仲間で、花のめしべを乾燥させたものです。
地中海沿岸が原産とされ、サフランという名称はアラビア語で「黄色」を意味するそうです。パエリアやサフランライスなど食用にされるほか、染料としても使われてきました。
中国では番紅花または西紅花とよばれ、漢方薬として使われ、効能は「活血化淤・通経」「解欝安神」で、無月経や月経痛などのほか精神安定作用もあります。
週末topics〜五臓六腑について(その1:「肝」)
「五臓六腑にしみわたる」「腑抜け」という言い方がありますが、五臓六腑とは漢方における内臓器官の総称で、「臓」とは「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の五つを指し、「腑」とは「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」の六つを指します。
「臓」は人体にとって重要な機能を受け持ち、「腑」は中が空洞で、主に飲食物の消化吸収や排泄をになっています。
また、漢方で言う臓腑は西洋医学の臓器とは似て非なる物で、漢方ではそれぞれの臓腑のもっている機能面を重視しており、西洋医学でいう臓器とは必ずしもイコールではありません。
(1)「肝」について
「肝」は「肝胆相照らす」といわれるように、六腑の「胆」と裏表の関係にあり、主な機能は
・血を貯え全身の血流量を調節する
・情緒を安定させ精神状態を調節する
・筋膜をつかさどり、筋肉・腱および関節の運動を調節する
などであり、また「肝」の状態は目や爪に反映されることから
臨床上では
・目の病気 ・筋肉痛や手足のけいれん ・ストレス ・自律神経失調症 ・不眠症 ・門脈循環障害(痔など) ・高血圧 ・胃腸疾患 ・神経症 ・生理不順、更年期障害
などの疾患と関連しています。
すなわち、西洋医学的に言う肝臓病とは関係なく、これらの疾患は漢方では「肝」の病としてとらえて治療していきます。
また、五行説の考え方では「肝」は季節で言えば「春」で、「木」の性格をもち、味で言えば「酸」と関連しています。