酸白菜(スワンパイツァイ) / 「肺」と「大腸」の関係

 これは、白菜を乳酸発酵させて作る「酸白菜(スワンパイツァイ)」と呼ばれるもので、北京料理などには欠かせないものです。

 作り方は簡単で、一旦煮沸してさましたお水の中に白菜を入れて数日間放置しておくだけです。白菜についている乳酸菌が発酵して、ぬか漬けの薄い味のような白菜のおつけものができあがります。

 そのままで前菜に使ったり、水餃子の具に用いたりするほか、冬の北京で欠かせない羊肉のしゃぶしゃぶ(シュアンヤンロウ)にも生の白菜ではなく、この酸白菜が使われます。

週末topics〜「肺」と「大腸」の関係

 花粉症のシーズンとなりましたが、スーパーなどでも乳酸菌入りの飲料などを、花粉症の予防に効果があるかのように売っていますが(薬事法の関係で具体的に効果があるとは書けない。)、漢方の目から見ても間違っていないと言えます。

 五臓六腑と言われる臓腑の関係から、「肺」と「大腸」は裏表の関係にあってお互いに関連しあっているというのが漢方の考えです。

 また、漢方で「肺」というのは西洋医学で言う肺だけでなく、鼻、気管支から皮膚まで呼吸に関するところを総て含みます。

 この「肺」におけるアレルギー反応(による炎症)が、花粉症であり、喘息でありアトピー性皮膚炎であるわけで、これらの疾患を「大腸」の環境を整えることで改善させるというのは理にかなっています。

 前に、花粉症は「衛気」と呼ばれる皮膚や粘膜を守っている「気」の不足が関与しているということを書きましたが、十分な「衛気」の生成には胃腸機能がしっかりしていなければだめですし、便秘や下痢という状態を放置しておくことでも「肺」に悪影響がでると言うことです。

 花粉症の発生には大気汚染や食品添加物などの化学物質の関与があるのは間違いないですが、それら有害なものから体を守るのも衛気の働きであり、その衛気を充実させるためにも胃腸が大事ということです。
 蛇足ながら、バリウムを飲んで検査しても、内視鏡で覗いても胃や腸の粘膜に異常がなければ西洋医学的には問題なしとされますが、漢方的に胃腸に問題がないというのは「空腹感があって、食事がおいしくて、食後もたれたり、便秘や下痢をせずに快便である」ということです。

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