日本人のための食養生(3)〜真夏の食養生
猛暑が続く毎日ですが、この時期に最も気をつけなければいけないのが熱中症です。屋外はもとより、屋内でも運動や作業をされる方はこまめな水分補給は欠かせません。ただし、冷たい水分の過剰摂取は胃腸を冷やして「気」のエネルギー低下につながり、夏ばてや夏風邪の原因ともなりますので、せめて常温程度の水分を摂ることをお勧めします。
ところで一般的な夏の食養生としては、体の余分な熱を冷ます作用のある夏野菜〜キュウリ、トマト、ナス、ニガウリを積極的に摂ることが基本ですが、これらの夏野菜はそのものの性質として「体を冷やす」作用を持っており、熱を加えて食べても体を冷やす作用がなくなることはありません。反対に暑いからといって冷蔵庫で冷やして食べるのはかえって胃腸に負担になります。
また、暑い時期にクーラーのよく効いたオフィスで仕事をされている方で、冬場以上に体が冷やされて困るという方には、香辛料〜ショウガ、コショウ、スパイス類などを適度に摂って「気」の流れを活発にして新陳代謝を高めることをお勧めいたします。
最後に、つい冷たいものを摂りすぎたりクーラーなどでおなかを冷やして体調を崩しがちな方には、味噌、納豆、お漬物など伝統的な発酵食品をお勧めいたします。発酵食品は整腸作用だけでなく、胃腸の消化吸収機能全般を改善してくれる作用があり、更に、胃腸は水分代謝にも深く関わっていますので夏場のむくみ対策にもなります。