松江(島根県)の名物の一つ、「出雲そば」です。写真は、出雲空港の近くにある築200年の古屋敷で営業されている波積屋(はづみや)さんで頂いたものです。
おそば(そば切り)は江戸時代に食べられるようになりましたが、主として町人の食べ物で、もりそばやざるそばという食べ方が主流でした。ところが、ここ島根では、松江藩の第七代藩主の松平不昧公がそば切りを好んだことで、もともと武士の弁当箱だった割盒(わりごう)から始まったと言われる割子そばというのが定番となっています。
割子とは、写真のような丸い形の小ぶりのお椀で、標準的には3つの割子が重ねられて1人前分のようです。また、薬味やだしをそばの上からかけて食べますが、言われてみれば、町人の食べ物であるざるそばに比べて、武士が食べてもおかしくない上品さがあるような気もします。