日本料理第3弾は天麩羅です。天麩羅は16世紀頃、宣教師によって伝えられたとされていますが、当初は西洋料理のフリッターの原形のようなもので、現在のような形の天麩羅は江戸時代の半ば以降に広まったそうです。
中華にも、衣をつけて揚げる料理はいくつかのパターンがありますが、卵白を泡立ててふわふわした食感に揚げたものや、衣に色んな味付けをして揚げるなどしたものが主流です。
ところが、余計なものを殆ど加えず、また小麦粉も殆どかき混ぜない状態で、サクッと揚げるという日本の天麩羅は、シンプルであるものの技が要求されるという点で、日本らしい料理と言えます(「足し算」の中華に対して「引き算」の日本料理という言い方があるのもうなずけます)。