(姫路の日本料理屋さんのメニューより)
下から長芋、穴子、椎茸、生麩、生姜と積み上がった煮物です。長芋は一般には山芋とも言いますが、乾燥させたものを山薬と呼び、漢方の要薬のひとつです。
山薬は、食欲不振や食べるとトイレに行きたくなるなどの軟便に用いられるほか、腎虚の改善(=老化予防)のスタンダード処方である六味地黄丸や八味地黄丸の構成生薬のひとつで、精力増強的な効果もあります。食品としても、潰瘍性大腸炎などでは毎日でも長芋を食べると良いとされています。
また、穴子や椎茸もアンチエイジング効果に優れた食材ですし、このメニューは薬膳的な立場から見ても、これから寒くなる季節(冬は漢方では腎虚症状〜尿漏れや腰痛がでやすくなります)を前に良くできていると思います。寒くなると言うことでは風邪もはやりますが、風邪の予防はまず胃腸を冷やさないことです。その為には、生姜湯や今はやりの生姜紅茶だけでなく、生姜やネギといった体を温めてくれる食材を積極的に摂ることをお勧め致します。