(引き続き、那覇市新都心“おもろ殿内”さんのメニューから)
沖縄で麺類と言えば、沖縄そば(そばと言っても小麦粉100%です)も有名ですが、素麺を炒めた“そーみんちゃんぷるー”も定番料理です。
素麺というと、どうしても暑い時期に冷やし素麺でというのが一般的かと思いますが、さすがに伝統的な食養生の知恵が色濃く残っているだけあって、暑くてもおなかを冷やしてはいけないという概念が浸透していることをうかがわせるメニューです。因みに、アイスクリームやシャーベットの一人あたりの消費量も沖縄が日本でダントツの最下位です。
健康のためにはおなかを冷やしてはいけないと言うのは日本古来(おそらく人類共通)の常識だったように思いますが、この20年ほどで影も形もなくなりました。おなかを冷やしたら何が問題になるのかと言われそうですが、おなかは気力の発生源ですし、西洋医学的な観点からも消化酵素が冷やされると活性が低下し、栄養物の消化と吸収に支障がでるほか、腸内細菌バランスも悪玉菌が増殖して、免疫力の低下につながります。
実際に、この20年間で花粉症患者の増大や、ノロウイルスの蔓延(正確に言うとノロウイルスだけでなく他の細菌やウイルスでも、昔なら問題にならなかった程度の感染で発病してしまうことが問題)から、子どものアレルギー罹患率の増大など、かつて無かったような事態が静かに進行しています。
一方で、冬の寒い時期でも冷たい炭酸飲料やビールのCMが垂れ流されている状況は、この先の日本人の有病率の増大に歯止めがかからない事を暗示しているように思います。