人工甘味料に肥満リスク~イスラエルの研究チーム

 かねてより有害性が取りざたされていた人工甘味料について、このほどイスラエルの研究チームが、人工甘味料は腸内細菌バランスを崩すことで、血糖値が下がりにくくなり、肥満や糖尿病になるリスクを高める可能性があるとする研究結果をイギリスのネイチャー誌に発表したそうです。

 人工甘味料の種類に関してはサッカリン、アスパルテーム、スクラロースなどのようですが、これらの人工甘味料は日本でも糖質ゼロやローカロリーをうたう缶飲料やお菓子にどっさり使われています。報道によりますと、今回は380人のイスラエル人を調査したものだそうです。

 近年、人間の健康状態に腸内細菌バランスが大きく影響していることが注目され様々な医学的な研究が進んでいますが、肥満と腸内細菌バランスの相関性は以前より指摘されており、アメリカなどでは健常者の大便を肥満患者の大腸に注入することで腸内細菌バランスを改善するといった療法も行われているようです。

 また、今回の報道では腸内細菌バランスがどのように乱れたのかわかりませんが、腸内細菌バランスを悪化させる因子としては、精神的なストレスのほか、抗生物質、保存料をはじめとした食品添加物、冷たい飲食物なども挙げられます。

 更に腸内細菌バランスの悪化は、便通異常だけでなく、食品中のミネラルの吸収が悪くなる、腸内細菌が合成に大きく関わっているビタミン類やセロトニンなどの不足に直結してストレス抵抗力が低下しますし、腸管免疫にも影響して免疫力の低下に直結します。

 糖の代謝能力に関しては日本人は欧米人に比べて膵臓のインシュリン分泌能力が低いために、もともと欧米人と同じものを食べても糖尿病になるリスクが高いと言われています。現代栄養学では、どうしても食べ物に含まれる栄養素やカロリーにばかり焦点が当たりがちですが、食べ物はそれを食べる人の栄養吸収力や代謝能力、腸内細菌などによって、あるいは何時に食べるかによっても健康状態に対する影響は異なります。

 因みに、漢方的には現代の日本人で血糖値が高い人は脾虚湿盛といって胃腸機能が低下して体内に余分な水分を抱えているというタイプが多いと言われていますが、そういった方には日本の伝統的な食事がお勧めとなります。

 

 

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