秋になって落ち葉が舞い散りだすと、何となくもの悲しい感じがします。漢方理論では、秋は憂いや悲しみといった感情に支配しやすくなるとされ、自律神経も変調を起こしやすくなります。
原因としては、この季節、寒暖の差が激しくなることで環境面からストレスを受けることや、夏の疲れから気力低下をきたし、気が沈みがちになることなどが原因として挙げられます。一方で、現代日本においては秋という季節に関係なく、ミネラル不足が神経症状に大きく関係していることが指摘されています。
そのことに関しては以前ご紹介した「食事でかかる新型栄養失調」という本に詳しく述べられています。昔とは比べられないくらいビタミンやミネラル、ファイトケミカルの含有量が低下した野菜や、化学調味料や人工的な色素やフレーバーで見た目だけは立派な加工食品を中心に食べていると、カロリーは足りていても、体が必要とするミネラルやビタミンが不足し、神経の生理的な機能面にも影響が及んで鬱症状などの神経症状につながるというものです。
また、最近の研究では、急に汗が噴き出したり、動悸がするといったパニック障害に関しても、すべてではないものの、普段から甘いお菓子や飲料を摂ることで、血糖値が激しく上昇と低下を繰り返し、こういった症状の引き金になりうるとする指摘もあります(※)。即ち、現代日本人のように人類の歴史の中で食べたことがないような食品にかこまれていることが鬱病やパニック障害を誘発している部分が大きいようです。(※:パニック障害の症状と低血糖の症状に類似性があり、精製された砂糖や果糖液糖など急激に血糖値を上昇されるものを摂るとインシュリンが大量に分泌され、結果的に低血糖になり、パニック障害のような症状が表れ、このことが更に精神的な不安感を助長する)
こういった現状を考えるに“自然でない行いは、自然でない混乱を生む”というシェークスピアの言葉が思い出されますが、解決策としては、先祖代々その土地で食べられてきたものを最低1日1食でも良いので食事にとりいれることが大事です。
それも、豪華なものである必要はなく、ごはん(胃腸が弱くなければ玄米なども)と、天然のだしで作った味噌汁に季節の野菜やきのこ、海草を入れたものなど、ちょっと前までは日本中の家庭で普通に食べられていたものを食べるだけでも効果はあるはずです(ついでに1口30回は噛む~玄米は1口100回)。