今頃の“かぜ”

 昨年からの新型インフルエンザ騒ぎの影響で多くの人がかぜを引かないように手洗いやうがい、マスクなどを励行したせいか、年明け以降、インフルエンザもかぜも例年になく少なかったようですが、最近になってかぜを引いておられる方をよく見かけます。

 症状としては、あまり熱はでないものの、空咳(からぜき)がいつまでもとれないとか、吐き気や下痢を伴うようなタイプです。

 原因としては、いつまでも温度が低いことと、空気が乾燥していることが考えられますが、問題は、そういった気候であるにもかかわらず、服装は薄手のものにかわり、飲んだり食べたりする物も夏バージョンに移行してることが挙げられます。バカバカしい話しですが、気温が何度であろうと5月にはいるとオフィスビルの空調が冷房モードになるなど、自然環境よりも、カレンダーに慣らされてしまった生活にも問題がありそうです。

 とにかく、人間は現代社会では殆どの人が意識していませんが、恒温動物であって、「冷える」ことは体温を維持するのに余計なエネルギーを必要とするわけで、体温維持以外の免疫力始め様々な機能が低下し、かぜ(漢字では“風(ふう)”の“邪”=風邪)を、“引いて”きてしまいます(蛇足ながら、気温の低下以上にからだを冷やすのは冷たいビールなどです)。

 さて、ここ最近よく見かける風の中で、痰が多いとかおなかの調子がよくないなどの胃腸症状を伴う場合は参蘇飲のような処方が、また、空咳だけがいつまでも続くようですと養陰清肺湯のシロップ剤(潤肺糖漿)が合うことが多いです(症状だけでなく、その方の体質なども関係するのであくまで一般論です)。

関連記事

  1. 過度の飲酒は乳ガンのリスク要因

  2. 乳製品と前立腺ガンの関係

  3. 梅雨の長雨と健康

  4. “潤い”は夜つくられる

  5. 頭を悪くするウイルス!?

  6. 低体温なのに“暑がり”(暑がりの寒がり)