弱毒性とは言え、感染力が強く世界的な広がりを見せる新型インフルエンザに対して、4年前に中国政府のSARS予防チームの責任者で、当時SARS予防のための漢方処方を考案した広州中医薬大学の鐘教授が今回の新型インフルエンザ対策に有効な処方を発表したと中国“健康報”誌が伝えています。
鐘教授の処方内容は金銀花、連翹、桑葉、葛根、菊花、大青葉など数種類の生薬からなるものですが、既存の処方では銀翹散と五味消毒飲を足したような処方構成になっています。これらは、家族や自分の周りの人が新型インフルエンザを発症したといった状況ではお勧めできる処方です。
また、中医学的に考えると今回の新型インフルエンザは季節要因として、寒い時期ではなく気温も湿度も高い時期の流行と言うことで、日頃の体調管理に関しては冬の時期のように体を温める作用のあるものより、専門的には「気陰」を補うことが必要で、生脈散や参苓白朮散などの処方の出番となります。
更に、中国では“常識”であるが故に、誰も敢えて言いませんが、気温が高くなってきたからといって体温以下の飲み物や食べ物を摂るのは、インフルエンザの予防はもちろんのこと、体調管理にとって大きなマイナスになります。