わかりやすい漢方講座(32)~のどの乾燥
この季節、いくら暖冬とは言え、空気が乾燥していますので、のどがいがらっぽくなってちょっとしたことで咳こんだり、発熱などをともなわないものの、のどが痛くなりやすい季節です。また、風邪を引いた後に咳だけがしつこく残るという方もよく見かけます。
このタイプの咳はのどの粘膜が「乾燥」することによって、吸った空気の刺激に過敏に反応することが原因で、いくら症状が咳だからと言って新薬の咳止めを服用しても殆ど効果が期待できません。
この症状を漢方的に見ますと、のどは五臓六腑のなかの「肺」に含まれますので「肺が乾燥している」状態と捉えます。漢方で言う「肺」とは気管支や鼻、そして皮膚にいたるまで、呼吸に関係しているところを含み、基本的に「乾燥状態を嫌う」という特質があります。
のどが乾燥しているからと言って、水を飲んだりうがいをしても、一時的に潤うだけで、根本的な解決にはなりません。漢方では、こういった時には「肺」の潤いを増やすという作用のある処方を使って、のどの内側から潤いをつけて、のどの粘膜が過敏に反応する事がなくなるようにします。
風邪などでなくても、カラオケや講演などでのどが乾燥しがちな方にも、漢方でのどに潤いをつけることで、発声が良くなるだけでなく、のどの乾燥を防いで、風邪の予防にもつながります。