上海式黒酢の酢豚

 日本でも定着した感のある黒酢の酢豚ですが、上海料理では酢の酸味よりも砂糖の甘みが強く、豚肉の飴炊きのような感じになり、主に冷菜(前菜)として供されます。

 お酢、特に黒酢はアミノ酸が豊富で、日本でもブームになっていますが、基本的な効能としては「消食健胃?胃腸の消化力を高める」で、特にこれから食欲が落ちてくる夏場などには向いています(ただし、お酢の摂り方としては細く長くが基本で、一度に大量に摂ると、かえって胃が荒れたりします)。他にもお酢には魚や肉による食中毒を防ぐ作用があるとされていますが、一般的に腸内細菌でも、乳酸菌などの善玉菌は酸性で増殖しやすいので、直接的な殺菌効果以外にも腸内細菌バランスを間接的に改善する作用があると思います。

 また、酢豚のように甘味と酸味が一緒になると、漢方理論では体に潤いをつける作用が生じますので、発汗過多になりやすい夏場には「甘酸っぱい」という味のものは適しています。

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