(「大陸風」のメニューより)
竹で編んだ籠いっぱいに、四川特産の朝天椒というホオズキのような形の唐辛子とエビの素揚げが盛られています。エビの素揚げといっても、これだけの唐辛子と共に揚げられているわけで、辣油揚げと言った方が適切かも知れません。
さて、辛いという味は漢方的には「発散」「発汗」などの作用があり、暑い地域では香辛料のたっぷりきいた食事で汗をかくことで、体温が下がるという事が西洋医学的にも確かめられています。また、辛いという味は、気の巡りを良くする作用もあり、反対に言うと、ストレスの影響を受けている人ほど、無意識に辛いものを欲する傾向が見られます。
但し、漢方的に考えた場合、ストレスといっても「自分の思い通りにならずにイライラする」というタイプのストレスにさいなまれている方ほど辛いものに手が伸びる傾向にあります。また、辛いものを食べることで、いくらか「発散」はしますが、このタイプのストレスはもともと胃腸の働きにも悪影響(ゲップやガス、胃痛)を及ぼしやすいので、辛いものの刺激で胃腸の調子が余計に悪くなりやすいので注意が必要です。
漢方では、唐辛子以外にも香味野菜や柑橘類、ハッカやミント類も「辛い」という味に分類され、「発散」という効能が期待されますので、胃腸が丈夫ではないものの「唐辛子大好き」という方は、唐辛子の代わりにこれらの食材を多めに摂られることをお勧め致します。