ふぐの皮はゼラチン質が豊富で、それだけでも体に良さそうですが、必須ミネラルの一種であるセレンが多く含まれていることでも注目されています。
セレンという名前は聞き慣れないかも知れませんが、玄米を始め日本の伝統食に比較的多く含まれ、強力な抗酸化力があることから、生活習慣病の予防効果などがあるとされています。また、近年の研究では精液中のセレン濃度が高いと精子数も多くなるという事も指摘されており、日本人の男性不妊と食べ物の欧米化に関連性があるという指摘もなされています。
ところで、食べ物の欧米化については、様々な角度から問題点が指摘されていますが、そういった議論では脂肪分、糖分の摂りすぎや、食品添加物の問題など、物質面ばかりを取りあげた議論が盛んです。
こういった議論では、「その食べ物を食べている人間が誰か」という視点が欠けており、長い人類の歴史のなかで、先祖代々食べてきた食べ物に適合した体を持っているものだけが淘汰されずに生き残ってきたという事実を無視しているようにも思えます。