芝麻とは、ゴマのことで、団圓とはダンゴ、平たく言えば白玉団子です。中国では、おめでたいときにはつきものの一品です。ゴマ(黒胡麻)は、漢方生薬としても用いられますが、肝腎要(かんじんかなめ)の「肝」と「腎」を補う作用があるとされています。(一般的には「かんじん」は「肝心」と書くことが多いようですが、漢方理論上ではあくまで「肝腎」です。なぜなら、「心」は「君主之官」であって「肝」は「将軍の官」ですので、この二つが同列に並ぶという事はないからです。)
また、白玉団子の上に載っているのはキンモクセイの花びらの砂糖漬けです(桂花醤:クイファージャン;中国語ではモクセイは「桂花」)。見た目の美しさもさることながら、ほのかにキンモクセイの香りが漂います。また、この桂花醤は中華では点心などの香り付けによく用いられます。
因みに、良い「香り」の薬効は洋の東西を問わず、「気」の流れを良くすることです(西洋ではアロマテラピーと呼ばれています)。