アンコウの肝(アンキモ)と上海蟹のカニミソ(蟹黄)でできたテリーヌです。深海魚の肝臓と、淡水の蟹のカニミソの組み合わせですが、彩りもさることながら味わいも絶妙な一品です。
アンキモはアンコウの肝臓ですが、脂肪分が40%もあってフォアグラと並び称されるほどの脂肪肝です。ただし、DHAやEPAなど血液サラサラ成分も含まれており、ヘルシーな側面もあります。
さて、キモというと一般的には肝臓を指し、漢字でも「肝」と書きますが、「キモが太い」とか「キモがすわっている」という場合は「胆」とも書かれます。これは、漢方理論で「胆」は「決断をつかさどる」臓腑とされていることが元になっています。
同じように、胃腸の調子がよくない方で、不眠や神経症といった症状に用いる処方に「温胆湯(うんたんとう)」という名前の処方がありますが、この処方名も、冷えている「胆(きも)」を温めて、胆力を付けるということから名付けられています。