上海蟹(という言い方は日本だけで、現地では「大閘蟹」と呼ばれています)の濃厚なカニミソ入りのフカヒレ(魚翅)スープです。ズワイガニやワタリガニのカニミソと違って、上海蟹には川蟹独特の臭みというか香りがあり、更に海に棲息する蟹と違って、ミソにしても身にしても時間が経ってもあまり硬くならないという特徴があります。
蟹の薬膳的な効能としては、「肝」「胆」にこもった余分な熱を冷ますという事ですが、基本的には「寒性」で、体を冷やす作用があります。このため、中華で上海蟹といえばおなかを温める生姜茶がつきものになっています。また、蟹の目玉の裏側辺りにある胆のう部分(黒くて苦みがあります)は、特に体を冷やす作用が強く、食べるときはできるだけその部分を排除して食べるべきであるとされています。