柿の出まわる季節となりましたが、柿は古来、日本に於いて様々に改良され、食用以外にも利用されてきました。(因みに、柿は英語でも kaki です)
柿は果物として食べられるほか、そのヘタは柿蒂(してい)と呼ばれ、しゃっくりの特効薬として有名ですし、葉っぱを乾燥したものは柿の葉茶として利用されます。
また、未熟な渋柿から得られた絞り汁を発酵させた柿渋(かきしぶ)は、血圧降下作用や、下痢止めとして内服されるほか、ヤケドには外用で用いられてきました。また、薬用以外にも日本酒の製造過程で清澄剤として重要な役割をはたしています。更に、柿渋は防腐効果と防水効果を発揮する天然の塗料として和紙や漁網などに利用されてきました。
柿の実の薬膳的な効用は、二日酔いの予防、下痢や軟便の改善などですが、干し柿の表面に付く白い粉を柿霜(しそう)と呼び、漢方では乾燥によるのどの痛みや空咳などに有効とされています。