キジハタの蒸し物




 キジハタはアコウとも呼ばれますが、ゼラチン質に富んでいることから香港の海鮮料理などでも人気のある食材です。関西では、和歌山や日本海側でよく獲れる魚ですが、最近は瀬戸内海などでも漁協が稚魚を放流しており、漁獲量が増えてきています。

 この魚は、釣りの世界で言う「根魚」で、岩礁地帯に棲息するため、大量に収穫するのが難しく、それゆえ高級魚とされています。香港などで高値で取引されるために、東南アジアでは海中で爆薬などを使って魚にショックを与え、浮き上がらせて獲るといった違法な操業が問題となっています。(沖縄では「ミーバイ」と呼ばれますが、最近は養殖もされているようです)

  中華ではこのキジハタのようにゼラチン質に富んだ食材(フカヒレ、ツバメの巣、魚の浮き袋などから豚足や鹿のアキレス腱など)を珍重する傾向にありますが、漢方薬の世界ではゼラチン質といえば、ロバの皮を煮詰めて作られる阿膠(あきょう)という生薬が有名です。

 阿膠の薬効としては、血を補い、体の芯から潤いを与えるとなっています。これは、「血」のもつ滋潤作用が、お肌をはじめ人体の各組織の潤いのもとになっているという考え方によるものですが、反対に言えば「血」の不足は、単純に貧血というだけでなく、人体各組織の機能低下の原因ともなるというのが漢方の考え方です。

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