大根は、デンプンの分解酵素であるジアスターゼが多く含まれ、消化を促進する働きがあることはよく知られていますが、薬膳的には、「気」を下に降ろす作用もあります。
このため、のぼせ気味の方などにはお勧めの食材ですが、特に大根の種は漢方では「莱服子(らいふくし)」と呼ばれ、食べ過ぎでおなかが張ったり、つかえたりするのを解消してくれるほか、痰の多い咳にも有効であるとされています。
ところで、漢方薬の世界では、この莱服子は薬用人参(高麗人参)との相性の悪さが特に有名で、「気」を下に降ろす作用が、高麗人参の「補気」作用を邪魔するので、高麗人参との併用は禁忌とされています。