スズキ(鱸)は、夏を代表する魚で、弾力のある白身は刺身にしてもおいしいですが、蒸してもプリプリ感があって、香港でよく蒸し物にされるハタ類の魚に匹敵するほどです。上にのっているソースは、大豆を細かくしたものをベースにしており、あっさりしていました。
さて、この料理にはオクラが添えられています。オクラも夏の野菜としてお馴染みですが、もともとはアフリカ北東部、現在のエチオピア辺りが原産で、日本に渡ってきたのは江戸時代末期と言われています。
オクラはアオイ科で、美しい花を咲かせますが、俗に「三ねり」と言われますが、山芋、納豆とともに、ネバネバしたところに特徴があります。漢方的な考え方では、ネバネバしたものは基本的に「腎」を補うとされ、強精作用があるとされています。また、オクラには魚の臭みをとる作用もあるとされています。
因みに中国語でオクラは、形が羊の角に似ていることから「羊角豆」とか、「秋葵」と呼ばれています。