フレッシュトマト入りエビチリソース

 エビチリと言えば、中華の定番料理の一つですが、もともとは乾焼明蝦(ガンシャォミンシァ)という宮廷料理から派生したもので、本来はケチャップではなくて有頭海老のエビミソ部分の風味と色を生かした料理でした。

 さて、写真の料理はケチャップも使われていますが、夏らしくフレッシュトマトが入っており、サッパリした味になっています。また、上に乗っているのはスナップエンドウですが、エンドウ豆には「健脾利湿」?胃腸の機能を高めて、不要な水分を排泄する?効果があるとされ、湿気の多い梅雨時には向いている食材といえます。

 では、なぜ胃腸の機能が良くなる事と、不要な水分が排泄されて、むくまなくなるという事が関連しているのかというと、漢方理論では「脾胃」=胃腸は、水分代謝に関連しており、胃腸機能の低下から体内に余分な湿気や水がたまるとされているからです。

 現代医学的に言うと、一般的には1日に食べ物、飲み物などで約2リットルの水分が胃腸に入ってくるわけですが、唾液から始まって、胃液や胆汁など消化管から分泌される水分は1日に10リットル以上もあって、飲食物中の水分と合わせると、胃腸の中は1日に10数リットルもの水分が流れているわけです。(大半は腸で再吸収されて、2リットルが尿や汗から排泄されます)

 よって、胃腸の機能低下は水分の代謝に影響を与える訳で、体内に不要な水分が溜まりやすくなります。更に、漢方的には、この不要な水分のことを「水飲」、「湿」、「痰」などと言って、これらはむくみだけでなく、花粉症、喘息、神経痛などの発症に関連していると捉えられています。(ついでに言うと、夏場に最もよく見られる胃腸機能低下の原因は、冷たいものの摂りすぎです)

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