写真ではわかりにくいですが、鶏肉と揚げ豆腐を中華スープと蝦醤、咸魚醤などの海産物を発酵させた調味料で煮込んだものです。調味料と言っても、発酵させて作られるものは単に味を整えるだけではなく、栄養学的にも優れているのが特長です。
先日も牛は厳密に言うと草を食べているのではなくて、草を培地にして増殖する微生物及びその代謝産物を栄養源にしているという話しを書きましたが、発酵食品は調味料というよりは本当の意味での「健康食品」でもあります。
特に、日本の伝統食には山のように発酵食品があって、これらの発酵食品が日本人の健康を支えてきたと行っても過言ではありません。
味噌、漬物、納豆、醤油、塩から、かつお節、日本酒、お酢など、発酵食品なしに日本食を語ることが出来ないほどですが、発酵によって食べ物の保存性が高まるだけでなく、そのもの自体の栄養(酵素やビタミンほか多くの生理活性物質が発酵食品から見つかっています)も飛躍的に高まります。
漢方理論でも胃腸は「後天の本」といわれるほど、生命エネルギーを維持するために重要な働きをしているところですが、発酵食品は特に胃腸の働きを良くするものが多く、日本が世界有数の長寿国になった最大の要因は伝統的な発酵食品であると言っても間違いないと思います。