黒胡麻は漢方薬としても用いられますが、その薬効は「滋養肝腎」「補益精血」「潤燥滑腸」となっており、「血」や生命エネルギーのもとである「精」を補う作用があります。
「血」というのは漢方の考えでは五臓六腑や体の各組織を滋養する栄養物質という捉え方をし、この「血」が不足している状態を「血虚」といいます。また、西洋医学的な検査で貧血ではないからといって漢方的に「血虚」という事はよくあります。
さて、それでは「血虚」とはどういう自覚症状があるかというと、
・皮膚が乾燥しやすく、つやがない
・髪の毛(漢方では「血餘」、即ち「血」の余り)がぱさぱさしたり白髪が 多い
・目が疲れやすい
・「こむらがえり」がおきやすいなど、一見すると西洋医学的な貧血と無関係に見えることも漢方的には「血虚」が原因であることが多いです。
「血虚」を改善するために重要なことは、食事の内容と胃腸の働きの二つです。食事に関しては、「血虚」の方はとにかく冷たいものを食べない、飲まないというのが重要になってきます。