豚の胃の煮込み



 中華風モツ煮込みとでもいえる一品です。豚の胃(猪肚)については、以前にも紹介しましたが、基本的には脾胃(胃腸)を補う作用があるとされています。

 ところで胃腸が正常かどうかという事に関しては、西洋医学の健康診断などを基準に考えると、胃の壁にポリープができたり、粘膜があれているかどうかといったことを問題にしがちですが、漢方的には胃腸がちゃんと働いているかどうかと言うことを重要視します。

 すなわち、胃腸の最大の機能というのは、食べた物をちゃんと消化して、体に必要な栄養分(水穀の精微)を体内に取り入れ、不要な物を排泄するということですが、胃腸が冷やされたり、ストレスの影響などでスムーズに動かなかったりすると、げっぷや胸やけなどの自覚症状がでてくるだけでなく、何より問題なのは、体に必要な栄養素を吸収できなくなるという点です。

 この頃は、レストランのメニューや総菜売り場でも、その食品に含まれている栄養素やカロリーが表示されていますが、胃腸がちゃんと働かなければ、食品にいくら栄養素が含まれていても体内を素通りしていくというのが漢方の考えです。

 特に、生ものや冷たいものを過食(過飲)しがちな現代の食習慣を考えると、胃腸が冷やされて、その機能が充分に働いていないという方が多く見受けられます。人並みに食べているのに、貧血気味になったり、むくみやすくなったり、あるいは中性脂肪やコレステロールが上昇したりという方は、漢方的に見た場合は胃腸に問題があるケースが殆どです。

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