新年第一弾は、蜜汁火腿(ミィジィフォトィ)です。世界の三大ハムに数えられる金華ハムの赤味の部分を薄くスライスして蜂蜜などで甘く味付けして蒸し上げた料理で、上に見えるパン(セイロで蒸してあります)にはさんで食べます。
かすかに残るハムの塩気とコクに蜜の甘さがあいまって、なんとも奥深い味わいの一品です。一見、北京の宮廷料理のような雰囲気もありますが、実は四川料理より辛いことで有名な湖南料理の名菜です。
一説には台湾の湖南料理店が元祖で、蒋介石も好んで宴席料理に取り入れたとか。西洋料理にも生ハムとメロンを組み合わせたものはありますが、中華料理の奥深さが感じられる一品です。
ところで、蜂蜜は古来、漢方製剤を丸薬にするときに用いられたりもしますが、薬効としては「補中」「潤燥」などとなっており、老人の乾燥性の便秘によく用いられています。
飲み方は、蜂蜜をお湯に溶いて一日に何杯か飲むというものですが、腸内を潤すと共に、蜂蜜に含まれるオリゴ糖が腸内の善玉菌を増やす作用も期待できます。