紅焼蹄膀(豚スネの醤油煮込み)

上海料理の名菜、紅焼蹄膀(ホンシャオティバン)です。日本では、スネ肉といえばあまり好まれる部位とは言えませんが、皮付きのまま長時間煮込むことで、ゼラチン質が豊富な皮の部分がトロトロになって、得も言われぬ食感が生まれます。

 以前に、沖縄料理シリーズで紹介した「てぃびち」も、正にこの紅焼蹄膀の流れをくむもので、この料理の主役は肉の部分ではなくてあくまでゼラチン質の豊富な皮の部分です。

 漢方では、古くより豚の皮(猪膚)は薬用にも用いられてきましたが、同類の生薬としてはロバの皮を煮込んで得られるニカワ質を阿膠(あきょう)と呼び、繁用されています。

 阿膠の薬効は「補血」「滋陰」「止血」「清肺潤燥」となっており、血の気を補い体に潤いを与えると共に、不正出血などをおさえる働きもあります。もちろん、ゼラチン質が豊富であることから、女性の方の美容にも良い生薬です。

 因みに、阿膠のほか中国で婦人の宝とも称される当帰を主成分にした婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)が、日本でも女性を美しくする漢方薬としてモデルさんなどにも愛用されています。

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