葱爆海参(ナマコのねぎ炒め煮)


 乾燥させたナマコを数日かけてもどし、ねぎとともに炒め煮にした料理で、山東料理を代表する一品です。(因みに山東料理というのは北京料理(特に宮廷料理)の中核をなすものですので、四大料理として分ければ北京料理に入ります。)

 ナマコは中国では「海参(ハイシェン)」とよばれ、これは「海の人参」という意味で「補腎益精」「養血潤燥」作用があるとされ、精のつく代表的な食材です。滋養強壮作用だけでなく、特にゼラチン質が豊富でお肌を潤わせたり、乾燥性の便秘などにも効果があります。

 ところで「人参」についてですが、中国で人参といえば古来、漢方薬の人参を指します。日本でも人参という言葉はもともと薬用人参のことでしたが、明治時代になって現在主流の洋ニンジンが日本で広く栽培されるようになってからは、普通にニンジンと言えば野菜の方を指すようになりました。(もちろん、野菜のニンジンは形が薬用人参に似ていることから名付けられたものです)

 蛇足ながら、野菜のニンジンは中国語では「胡蘿蔔(フゥルオポ)」または「紅蘿蔔(ホンルオポ)」となります。

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