写真は上海蟹のかにみそと蟹肉を上海蟹のだしで炊き込みご飯にしたものです。
上海蟹の甲羅は、真ん中あたりに特徴的なくぼみがあってこれには現地で言い伝えがあるそうです。
昔々、天上界の天の川のほとりにカエルと上海蟹と牛さんが住んでいた時に、天の川が氾濫して溢れた水が地上界に洪水を引き起こしました。
この時、牛さんは決壊した堤防を治したりする為に地上に降りて行きましたが、悪賢いカエルは混乱に乗じて盗みをはたらこうと考え上海蟹をそそのかして、一緒に地上に降りていきました。
混乱が収まったころ、カエルと上海蟹が盗んだ財宝をいっぱいかかえて歩いていると、牛さんにばったり出会って事情を聞いた牛さんが怒って、上海蟹の甲羅をひづめで踏みつけたそうです。
牛さんにふみつけられたことで、上海蟹の体は横に伸びてしまい、横歩きしかできなくなっただけでなく甲羅にはしっかりと牛さんのひづめの跡が残っているというお話しです。
ところで、この逸話でもわかるように農耕を主としてきた中華民族にとって牛は家畜と言うより大事な労働力で、牛を食べるということはあまりなかったみたいです。
薬膳的な効用としては牛肉は「甘平」の性質で胃腸を補い筋骨を強くするとされていますが、これは殆ど脂身のない農作業用の牛の肉の事で、肉質が固いためスープやお粥などに用いられてきました。近年、中国でも肉牛などが飼われるようになってきましたが、脂身の多い牛肉については温性で熱盛と書かれており、食べ過ぎると余分な熱が体にこもるとされています。
赤いニキビが出来やすい人やのぼせがちの人は牛肉は控えるべきです。