江津とは四川省重慶市内にある地名で、清朝末期に考案された料理です。日本では重慶式酢豚とも呼ばれていますが、四川料理だけに普通の酢豚よりも辛味が強いのが特徴です。
重慶は、“中国三大火炉”のひとつに数えられ、夏は40度近くまで温度が上がりますが、気温だけでなく湿度も高くなることから、発汗作用で体温を下げるのと、湿気を発散させる辛い料理が好まれます。
唐辛子自体の薬膳的効能としては、適量では、おなかの冷えをとる温中散寒作用や、胃腸を丈夫にして消化を促進する健胃消食等とされていますが、大量に使った場合は健胃作用よりも発散作用が主になります(胃にはむしろマイナス)。
また、湿気は気の巡りを邪魔しますが、精神的なストレスによって気の巡りが悪くなっても、無意識に発散作用のある辛いものを求める傾向があり、辛いものがすごく食べたくなったときはストレスがたまっていることが多いものです。