甜葱~甘葱と金柑、真鴨の炒めものです。
金柑は長江流域原産とされ、中国では旧正月の頃に金色の実をたわわに実らせることから、縁起物としても知られています。
日本では金柑の産地としては宮崎が有名で、最近は糖度の高い“たまたま”が人気です。
さて、金柑の独特の甘い柑橘系の香りは、気の巡りを良くしてくれます。金柑に限らず、柑橘類や春菊、セロリなどの香味野菜にも同様の働きがあり、気の巡りが滞りがちな(=ストレスの影響を受けやすい)春先には積極的に摂ると良いとされています。
蛇足ながら、ストレスの影響で気の巡りが滞りがちな方は、つい唐辛子などの辛いものに手が伸びますが、食べたときには一時的に辛味の発散作用で気が巡りだして良いのですが、胃の粘膜を傷つけたり、体内に余分な熱がこもってのぼせたりしやすくなります。心当たりのある方は、唐辛子系統のものよりもハッカやミントなどを摂ることをお勧めします。薬膳的にはハッカやミントも“辛い”という味に分類され、ストレス発散作用があるものの、唐辛子などと違って胃腸にも優しいです。
尚、ネギと鴨肉の組み合わせは、胃腸を温めて消化力を高め、鴨肉の良質なたんぱく質から血を増やす作用もあり、気の巡りをコントロールしている五臓の“肝”を補う作用が期待できます。“肝”は十分な血がないと機能が低下して、目の乾燥、筋肉がつりやすくなる、ストレス抵抗力が低下するなどの症状につながります。また、春は“肝”の季節ともいわれ、特にこの時期は胃腸を調えて血が不足しないように心がけることが大事です。