もともとは北京の宮廷料理で、現在でも中国北方の冬のデザートの定番とされるクルミの汁粉です。黒ごま餡入りの白玉団子も入っています。
クルミは胡桃とも書きますが、胡とは西域のことで、ペルシャ原産とされています。もっとも中国でも7000年前の新石器時代の遺跡からもクルミを栽培していた跡が見つかったそうで、相当に古くから食べられていたようです。
さて、クルミの薬膳的な薬効としては、体を元気にして血を増やす補気養血作用の他、肺を温め腸を潤す温肺潤腸作用もあり、寒い時期に咳がよく出るとか、乾燥性の便秘などにも良いとされます。さらに、命門を益する働きがあり、老化による腰膝の痛みや、認知症の予防など老化予防にも優れています。
尚、このクルミの汁粉には胃腸の調子を整える作用や精神安定効果に優れたナツメ(生薬名は大棗)も入っており、寒さによる胃腸機能低下やクルミに含まれる脂肪分による胃もたれを防ぐほか、冬季うつ病と呼ばれるような冬の時期の気分の落ち込みにも良いと思います。(宮廷料理としてのレシピではクルミよりも多くのナツメが使われていたようです。また甘味は蜂蜜が使われ、その他の材料としては粳米も入ります。)