白菜の芯の部分を中国ハムなどの入ったスープとともに蒸し上げたもので、白菜の甘さが上品な味のスープとマッチした一品です。
料理名の開水(カイシュイ)とは、中国語で熱湯のことで、熱湯の中に白菜が沈んでいるだけのように見えるものの、実は手間もコストもかかっているという料理です。
このスープ、山椒も唐辛子も使われていませんが、もともとは清朝の時代に四川の料理人が北京の宮廷に招かれた際に披露したというもので、その後評判となり四川でも広まったそうです。
さて、白菜といえば冬野菜を代表する葉物野菜ですが、薬膳的な効能としては養胃利水、解熱除煩で、空気が乾燥する季節に肺に熱がこもって生じる咳やのどの炎症に良いとされるほか、お肌の乾燥を防ぐ効果も期待されます。
また、何年か前にニューヨークにある研究機関から西洋人に比べて中国女性の乳癌の発症率が低いのは白菜をよく食べていることが関係しているとする研究発表があり、それによると白菜には乳癌の一因となる過剰な女性ホルモンを分解する微量な酵素が含まれているとのことです。もともと白菜などアブラナ科の野菜に含まれるグルコシアネートには抗ガン作用が期待できるとされていましたが、そういった意味でも白菜は特に女性にお勧めの野菜といえます。
因みに、白菜でもっとも“上等”な部位は、真ん中の真っ白な芯の部分で、生長点とも呼ばれますが、生命力が最も宿っている部位です。