鹿肉はノーベル賞の授賞式の晩餐会でも必ず出されるそうですが、低脂肪高タンパクの肉として世界的に人気のあるお肉です。
中国で鹿といえば袋角を乾燥させたものを鹿茸(ろくじょう)とよび、生命の根元物質ともいえる“精”を増やす高貴薬として有名ですし、鹿の血を乾燥させたものや鹿のアキレス腱や鹿の尾の部分も滋養強壮作用のある生薬として有名です。
また鹿肉も肉類の中でからだを温め、五臓の腎を強くする強壮作用が最も強いとされています。
日本では鹿といえば奈良公園の鹿が有名ですが、古来、鹿の皮からとった膠(にかわ)は高級な墨や絵の具の溶剤として欠かせないものでした。因みに、角きりで切られる鹿の角は既に硬く骨化しており、生薬としては鹿茸ではなく鹿角(ろっかく)とよばれ、からだを温める作用は鹿茸に劣るとされます。