アシアカエビとそら豆の金華ハム、雪菜炒め

140428 金華ハムは世界3大ハムの一つに数えられますが、他のパルマハムやハモンセラーノと違って生で食べられることはなく、スープや料理の味つけに用いられます。

 また、日本の高菜に似た野菜を塩漬けにした雪菜も、炒めものなどに塩の代わりに用いられるもので、漬け物といっても日本とは食べ方が異なります。日本では野菜を保存するために漬け物にするという側面がありますが、中国の内陸部では野菜だけでなく、塩(岩塩)も食べやすいように保存しておくという発想があり、漬け物=塩、もしくは塩プラス漬け物の風味というとらえ方をするようです。

 ところで、漬け物をはじめ発酵食品は体に良いことはよく知られていますが、これまでは野菜などの栄養成分が発酵過程で消化吸収されやすいように分解されることや、乳酸菌(やその死骸)などが腸内細菌バランスを改善することなどが挙げられていました。ところが、近年、別の角度から発酵食品の有用性が科学的に明らかになりつつあります。

 それは、食品に含まれるアミノ酸に関するもので、基本的に人体や植物中にはアミノ酸がL体で存在しているのに対して、発酵食品のように微生物が関与した場合、D体が増えるというものです。更に、同じアミノ酸でも、一般的なL体ではなくD体のアミノ酸を摂ることはからだにとって有益であることが明らかになりつつあります(D体が多くなりすぎてもかえって有害であるとする報告もありますが、加齢とともに体内のD型アミノ酸が減少し、そのことが老化現象などと関連しているとの見方もあります)。

 この分野に関する研究はまだ始まったばかりですが、一般的なL体のアミノ酸では苦味があるものでも、D体では甘みがするとか、D体のアミノ酸を多く含む発酵食品を摂ることでお肌の老化を防げるとする研究なども発表されています。野菜などではD体のアミノ酸は土の中の土壌菌によって供給され、土壌菌が一杯いる有機質の豊富な土で栽培された野菜の甘みもD体のアミノ酸が関与しているのかもしれません。

(※D体、L体とは光学異性体のことで、同じアミノ酸でも立体的な構造が、右手と左手の関係のようになっているものをそれぞれD体とL体と言います。医薬品でも同じ構造式のものでも、D体とL体で薬理活性が異なるものがあることが知られています。) 

 

 

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