蟹黄(シエファン)とは上海ガニのカニミソのことで、獅子頭とは江蘇料理の名菜で大きな肉団子のことです。
写真は、上海ガニミソの入った獅子頭と鱈の白子、玉子豆腐を揚げたもの、広東白菜の入った蒸し物です。
上海ガニのカニミソは精巣もしくは卵巣で鱈の白子も精巣で玉子豆腐の玉子も含めて腎精を補う作用が期待できます。
腎精とは生命の根源物質のようなもので、人体の成長と生殖能力の原動力であり、中年以降は免疫力や老化予防に必要な物質と考えられています。
ただ、こういった食材を食べなければ精を補うことが出来ないのかというとそうでもなく、基本的には「普通」の食材からも最も栄養の濃い部分を精としてたくわえていることになっています。ただし、その為には胃腸の消化吸収機能が正常に働いていることが大前提になります。また、現代日本では「普通」と思われている食材が、食養生の観点から見てとても「普通」とはいえない状況が蔓延しているのも事実です。
実際に、子どもの頃からの食生活の間違いが積み重なって20代で骨密度が少ないとか、性ホルモンが少ないといった漢方的に見て精の不足をきたしている方が増えてきています。これは決してカロリー不足といった単純な問題ではなく、栄養学的にはカロリーは足りていてもミネラル類が不足していたり、腸内細菌バランスの悪化をひきおこすような食品添加物の摂りすぎ、あるいは食事中に冷たいものを飲んでおなかを冷やして消化酵素などの活性を低下させていることなどが積み重なっています。
では、どうすれば良いかといえば個人個人の体質や生活環境によっても一概には言えませんが、以前ご紹介した「大自然の生命力とつながる食生活17項目」はどなたにとってもお勧めです。