髪の毛のような形状の髪菜(ファーツァイ)は、念珠藻(ねんじゅも)と呼ばれる陸生の藻の一種です。
金儲けを表す“発財”と発音が同じ事から広東や香港では特に縁起の良い食材としても有名です。
さて、この念珠藻に関して数年前に、日本の富山大学の研究グループによってインフルエンザに対する免疫力をアップさせる働きがあることが解明されています。
現代日本では、除菌=善のように思われていますが、人間の免疫力を根底で支えているのは腸内細菌であり、近年の研究では土壌菌も関与しているといわれています。また、キノコ類には免疫を高める薬効が知られているほか、野菜などにも植物性乳酸菌などの有用な菌が含まれており、人間の健康に寄与していると考えられています。
人体には胃腸の中や皮膚に膨大な数の細菌が付着しており、これらのバランスがよい状態では病原性のある細菌などから人体を保護してくれているわけですし、全くの無菌状態になったとしたらむしろ健康や精神面に悪い影響を与えることが動物実験などから示唆されてもいます。
よって、何でもかんでも除菌するよりは、発酵食品や有用菌だらけの土壌で育った野菜などから積極的に菌類を摂取して人体と共生している菌類のバランスを安定させることの方が健康には良いと言えます。